漢方療法

漢方とは、5世紀頃中国から朝鮮半島を経由して伝わったのが始まりとされ、その後は日本国内で独自に発展してきたとされている医学です。明治以降は西洋医学が重視され、医師の資格試験では全て西洋医学から出題されるなど、その存在は軽んじられてきました。しかし、漢方医学者などがその必要性を訴えるなどして、昭和に入る頃には見直され、遂には大学の医学部での漢方による講義は必修科目になるなど、現在では重要視されてきています。

治療の考え方

そもそも漢方とは、体のバランスを整える効果があるとされ、それによって人が元々持っているとされる自然治癒力(免疫力)が高められ、病気や症状を改善していくという流れになります。なお西洋医学の薬物療法のようにこの病気に対して、この薬が効くという処方の仕方ではありません。体のバランスを整えるという面から、その患者様の体質にあった漢方薬が処方されます。したがって同じ病気で悩んでいたとしても効く方もいれば効かない方もいますし、同一人物であっても過去と現在で体の様子が違っていれば、これまでの漢方薬では効かなくなります。つまりその時点で体に合うとされる漢方を配合する必要があるのです。

なお漢方薬とは、薬効があるとされる複数の生薬(植物、動物、鉱物 など)を組み合わせるなどしますので、様々な成分が含まれていることから、処方がひとつだとしてもより多くの効果が期待できるようになります。なお処方される際は、エキス剤となり、顆粒や錠剤となります。健康保険が適用されます。服用後に効果が実感できるまでには最低でも2~3週間はかかるとされ、2ヵ月くらい様子をみる必要があると言われています。

漢方療法が向いている方

漢方薬は、風邪の引きはじめやアレルギーなど様々な症状や疾患に用いられますが、なかでも婦人科系疾患、いわゆる女性特有の症状や病気(月経痛、更年期障害、妊娠時のつわり、便秘など)で使われることが多いです。とくに婦人科疾患の漢方療法として使われる「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」、「加味逍遥散(かみしょうようさん)」、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」は、女性ホルモンのバランスを整える効果があるとされ、これらは三大婦人漢方薬とも呼ばれています。月経痛、冷え性や肩こり、原因が特定できない体調不良(イライラ、のぼせ・ほてり、動悸 など)、不妊症、便秘などの症状でお悩みの方は、一度漢方療法を取り入れてみてはいかがでしょうか。

漢方療法メリット・デメリット

漢方薬を使用することによるメリットとデメリットについては、以下のようなものが挙げられます。

メリット
  • 現在治療中の西洋薬を止めることなく、漢方薬を併用することができます(併用の際は医師に必ずご相談ください)。
  • 自然界に存在する生薬(植物、鉱物、動物 等)を使用しますので、体にやさしく副作用は少ないです(西洋薬と比較しても少ない)。
使用によるデメリット
  • 副作用が少ない漢方薬ですが、使用する生薬によっては起こることがあります。例えば、甘草を摂取しすぎると血圧の上昇やむくみが現れるようになります。附子では、動悸、ほてり、しびれなどが、麻黄では、食欲不振、多汗、不眠などが、大黄・芒硝では、腹痛や下痢などが起きることがあります。
  • 即効性のものが少ないので、ある程度(最低でも2週間以上)飲み続けないと効果が実感できません。
  • 味に癖があるので飲みにくいということがあります。