妊娠から出産まで、いわゆるお産に関することに対応しているのが産科です。当院の産科には分娩施設はありませんが、里帰り出産を希望する妊婦さんには、地域をとくに限定することなく、地元の分娩施設のある病院を紹介することもできます(全国に対応しています)。
このほか、妊娠診断、里帰り出産までの妊婦健診、お腹にいる赤ちゃんの様子を確認することができる3D/4D超音波検査なども行っています。
妊娠診断
妊娠の成立を確定させるためのいくつかの診察や検査を妊娠診断と言います。多くの場合、市販の妊娠検査薬によって陽性が確認されたことで産科(産婦人科)を受診されることと思われます。その際は、まず問診をし、これまでの月経や最後の月経開始日、過去の妊娠経験の有無、妊娠の初期症状がみられているかなどをお聞きします。
まず、経膣超音波検査による画像検査を行っていきます。同検査で子宮や卵巣の様子を確認できるようになりますが、その際に胎のう(胎芽 など)が確認されるなどすると妊娠していると診断されますが、妊娠が異常もしくは正常な妊娠なのかも確認できます。そのほか、内診や血液検査などが行われて総合的に医師が判断していきますが、確定するのは妊娠6週以降になることが大半です(月経が2週間程度遅れている頃)。
最近は、分娩できる施設が減少してきています。そのため、お産場所を確保するのも難しいとされています。したがって、速やかに妊娠診断をされることが望まれます。
妊産婦健診(妊婦健診)
妊産婦健診は、妊婦さんの健康状態やお腹の赤ちゃん(胎児)の成長過程などを定期的に確認していくほか、ハイリスク妊娠の可能性などについても調べる健診のことを言います。通院するたびに行われるのが、子宮底長、腹囲、血圧、浮腫(むくみ)、尿検査、体重測定、保険指導です。また必要に応じて行われるのが、超音波検査(正常妊娠の確認、胎児発育、胎芽心拍や胎盤・臍帯の位置の確認 など)や血液検査です。
妊娠週によって、妊産婦健診を受ける間隔は変わってきます。具体的には、妊娠初期~23週までは4週間に1回程度、妊娠24~32週は3週間に1回、妊娠33~35週は2週間に1回、妊娠36週~出産までの期間は週1回となります。なお、健診で通院する日でなくても出血や腹痛などの症状があれば、遠慮なくご受診ください。ちなみに妊娠30週以後につきましては、分娩施設のある病院にて妊産婦健診のご受診となります。
胎児の超音波スクリーニング検査
胎児超音波スクリーニング検査は、通常の超音波検査よりも、より詳しく胎児の状態を調べる検査です。
超音波装置で赤ちゃんの発育、形態異常を調べることにより、生まれる前と生まれた後の赤ちゃんの管理、治療を適切に行うことを目的としています。
主に、20~24週の妊婦さんを対象に検査をさせていただきます。
具体的な検査項目 |
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検査所要時間 | 20~30分程度 |
検査費用 | 8,000円(税別) |
心臓の部屋がきちんとわかれているか、肺、頭部内、消化器、生殖器などに問題がないか、口唇裂はないか、胎盤、へその緒などの項目についても検査させていただきます。
胎児超音波スクリーニング検査は、胎児奇形を早期に見つけるために、是非検査して欲しいと思います。(分娩される病院によっては強制の場合があります)何よりご両親が生まれてくる赤ちゃんに対して前もってお気持ちの準備をしておきたい時に受けていただければと思います。
- 検査をご希望の方は、受付までお声がけください。
- 検査は、女性の超音波検査技師が対応いたします。
- 赤ちゃんの向き、お母さんの体型、羊水量によっては、診断率が悪くなる為、確認がしづらい場合があります。
- 検査時の状況により、判断し得る限りの範囲の検査となりますのでご了承ください。
- 小さなお子さんがいらっしゃる方は、ご同伴者と待合室にてお待ちいただければ幸いです。
- 胎児超音波スクリーニング検査を行っても生まれてくる赤ちゃんのすべての異常を診断できるわけではございません。
胎児の出生前診断
妊婦年齢が35歳を越すと胎児染色体異常の確立が高くなると言われており、35歳では、1/299の確率、38歳では1/148の確率、40歳では1/87の確率でダウン症候群が生まれる(アメリカのFBRの出典より)と言われています。
胎児出生前診断の方法として2つの方法があります。
①母体血を用いた胎児染色体検査(新型出生前診断NIPT)
妊娠10~16週ぐらいまでの間に母体血を採血して、母体血漿中に循環する胎児由来cell-freeDNAを利用した検査です。陽性例の場合には確定診断として羊水検査が必要になります。本検査は認定された施設で行われることになっており、横浜市の場合は横浜市立大学となります。
②羊水検査
出生前診断による非確定検査(クアトロテスト など)によって、生まれてくる赤ちゃんが染色体異常(ダウン症候群、18トリソミー、開放性神経管奇形)の可能性が高いと診断された際に確定的検査として行われるのが羊水検査です。これは、妊婦さんの腹部に細い針を直接刺すことによって、羊水を採取するという検査です。羊水の中には胎児の細胞が含まれているので、染色体の数的異常や構造異常の有無を確認することができます。主に妊娠17週前後の妊婦さんに行われます。
検査そのものは数分程度で終了しますが、流産や破水のリスクも考えられる侵襲的なものなので、検査当日、翌日の安静が大事です。少量の水溶性帯下が出たら、すぐに入院安静となりますが、流産に至る人はほとんどいません。なるべくリスクを低減できる位置から穿刺できるよう検査前に経腹超音波検査を行う必要があります。ちなみに破水や流産の確率は約0.3%と言われています。
3D/4D超音波検査
一般的な超音波検査(妊産婦健診を含む)は、体の断面を映し出すことによって、内臓あるいは骨などの病変の有無を確認するために行うので、2Dの状態で同検査を行うことが一般的です。この3D/4D超音波検査というのは、お腹の中の赤ちゃんの様子を立体的に見ることができるというもので、これによって羊水の中の胎児の表情やしぐさなどをリアルに感じられます。そのため、一時でも早く赤ちゃんの表情が見たいという未来のママやパパに我が子を胸に抱くという感覚がより実感できるといったことを目的にしています。3Dと4Dの違いは、鮮明な立体画像をリアルタイム(4D)で確認できるかどうかの違いとなります。なお当院では、妊産婦健診時の超音波検査の際に4Dエコーによって立体的に胎児の様子を確認することも可能です。
3D/4D超音波検査につきましては、毎月第2・第4土曜日の午前に行っています。ご予約につきましては、いつでも受け付けております。
3D/4D超音波検査使用による検査料(DVD付き)
当院通院中の方 | 7,300円 |
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3D/4Dエコーのみご希望の方 | 9,300円 |